週刊 ベンチャー投資&ITニュース 1/23/2023

1、ベンチャー投資

Vannevar Labsが7,500万ドルを調達
国家安全保障上の重要な問題に対して、防衛・国家安全保障技術を提供するスタートアップ企業 Vannevar Labs は、Felicis Venturesgaが主導するシリーズBラウンドで7,500万ドルを調達した。

EarthOpticsが2,800万ドル を調達
土壌や地盤の管理向けにクラウドベースの機械学習プラットフォームを提供するEarthOpticsは、Conti Venturesが主導するシリーズBラウンドで2,800万ドル を調達した。

Blackpandaが1,500万ドルを調達
サイバー脅威とその影響を最小化することを目的としたデジタルフォレンジックとサイバー危機対応サービスのプロバイダーBlackpandaは、Primavera Capital Groupが主導するシリーズAラウンドで1,500万ドルを調達した。

Hyporiが1,000万ドルを調達
責任やセキュリティのリスクから顧客を解放し、エンドユーザーのプライバシーを保護する仮想ワークスペースのHyporiは、Hale Capitalが主導するシリーズBラウンドで1,000万ドルを調達した。

追い込まれるユニコーンの評価額
Crunchbase Unicorn Board は、過去2年間で約1,000の新しい企業と数兆ドルの報告価値を追加しランクを拡大してきた。しかし今、厳しい市場で未公開企業の評価がハードリセットされる中、取締役会は試練に直面している。

オレゴン州でサイケデリック・セラピーがOKに
オレゴン州は、シロシビン(マジック・マッシュルーム)の治療目的での使用を合法的に承認した。カリフォルニア州とコロラド州でも、近く同様の法律が成立する見込みだという。

Sequoiaが新たに1億9,500万ドルのシードファンドを発表
民間市場では比較的静かな1年だったが、ベンチャー企業は資金調達ゲームに戻りつつある。ベンチャーキャピタルの老舗であるSequoiaは、シード段階のスタートアップ企業を対象とした1億9,500万ドルの新ファンドを発表した。

ShellがVoltaを調達額より低い金額で買収
通常、まだ営業しているスタートアップが2,100億円の企業に買収されれば、ベンチャー支援者はかなり満足するが、電気自動車充電ネットワークVoltaの場合そうではないようだ。Shellは、2021年にSPAC経由で上場した同社を買収するために、1億6,900万ドルを支払うと発表している。

メディア・スタートアップ企業SemaforがBankman-Friedの株式買い戻しを希望
ニュース・スタートアップ企業のSemaforは、失脚したFTXの共同設立者が告訴される中、Sam Bankman-Friedの株式を買い戻したいと考えているようだ。Semaforは10月の創業前に2,500万ドル近くを調達しており、Bankman-Fried氏の取り分は約1,000万ドルだったという。

Carry1stが2,700万ドルを調
ゲーム開発者向けコンテンツプラットフォームとインタラクティブアプリを提供するCarry1stは、BITKRAFT Venturesが主導するシリーズBラウンドで2,700万ドルを調達した。

Authenticxが2,000万ドルを調達
ビジネス上の意思決定に必要な顧客インサイト分析のための会話データのシングルソースを提供するAuthenticxは、Blue Heron Capitalが主導するシリーズBラウンドで2,000万ドルを調達した。

CloseFactorが1,500万ドルを調達
営業チームの生産性を向上させるための自動化されたセールスリサーチとコンテキストに基づくインサイトを提供するCloseFactorは、Sequoia Capitalが主導するシリーズAラウンドで1,500万ドルを調達した。

Amberfloが1,500万ドルを調達
リアルタイムでの使用量計測、オンデマンドでの請求書発行・課金に応じた価格設定プラットフォームを提供するAmberfloは、Norwest Venture Partnersが主導するシリーズAラウンドで1,500万ドルを調達した。

シードのトップトレンド:炭素捕捉、女性の健康、AIの生産性
シードスタートアップの資金調達は不況にやや強い傾向があり、今回も例外ではない。この4つの新興セクターは、炭素捕捉、女性の健康、ハイブリッドワーク、そしてもちろん人工知能の進歩で投資を集め続けている。

資金調達が減少も、暗号は増加
暗号分野で奇妙なことが起きている。このセクターの資金調達は大幅に減少し、前四半期には岩のように落ち込んだが、ビットコインは2,100ドル以上、イーサーは1,500ドル以上と、共にFTXが破産申請する11月上旬以来の価格となっている。

Impelの1億400万ドルの資金調達がAIによる自動車購入の促進を支援
ニューヨークを拠点とするImpelは、Silversmith Capitalが主導する成長投資で1億400万ドルを調達した。ImpelのAIを搭載したプラットフォームは、顧客により触覚的な体験を提供し、従来のディーラーからの脱却をもう一歩進めている。

Sublime Systemsが4,000万ドルを調達
セメントを脱炭素化する技術を開発しているSublime Systemsは、Energy Impact Partners他が主導するシリーズAラウンドで4,000万ドルを調達した。

HotelRunnerが650万ドルを調達
宿泊施設、旅行代理店、ペイメントゲートウェイ向けに、統一された販売・流通プラットフォームとB2Bネットワークを提供するHotelRunnerは、シリーズAラウンドで650万ドルを調達した。

ニューヨーク州がスタートアップ企業への3,000万ドルの資金提供プログラムを発表
ニューヨーク州知事のKathy Hochul氏は、先端製造業、気候技術、農業、バイオテクノロジー、フィンテック、AI、医療機器産業などの企業を支援するプログラムを発表した。

Seek AIが750万ドルを調達
データ関係者が迅速にデータを入手できるよう、重要なプロセスやワークフローの自動化を目指すSeek AIは、ConvictionとBattery Venturesが主導するシードラウンドで750万ドルを調達した。

4四半期、Web3関連のスタートアップ企業への資金調達は74%減少
2021年と昨年前半はWeb3関連の話題が大半を占めていたが、2022年末には、まだ若いこの分野への投資家の関心が著しく冷え込んでいることが明らかになった。

1月も米国ハイテク企業のレイオフが続く
Crunchbase Newsの集計によると、米国に拠点を置くハイテク企業では、2023年現在までに21,000人以上が大量解雇されたという。 

10大ラウンド:ヘルスケア部門が最大ラウンドを独占
2023年第2週目は、ヘルスケア関連が2件、合計7億ドル近い巨額の資金調達でリードしたが、多くの大型ラウンドも生まれ、米国を拠点とするスタートアップ企業では、今年に入ってから1億ドル以上のラウンドが10件以上あった。

Joyn Insuranceが1,800万ドルを調達
中小規模のマーケットで商業保険を引き受けるマネージング・ジェネラル・エージェンシーのJoyn Insurance は、OMERS Venturesが主導するシリーズAラウンドで1,800万ドルを調達した。

2、ITニュース

SnowflakeがSnowConvertを買収
モンタナ州を拠点とするSnowflakeは、企業のデータベースをスノーフレークのデータクラウドに移行するためのツール群であるSnowConvertを買収することでMobilize Netと合意したことを発表した。買収の財務条件は明らかにされていない。

50%の組織がAPIの機密漏洩によるデータ侵害を経験していると報告
API の脆弱性は、見過ごすことのできない深刻な問題である。たった一つのAPIの脆弱性によって、Twitterのユーザー540万人のデータが流出した。サイバー犯罪者は、組織の個人を特定できる情報(PII)にアクセスするために必要なのは、正しい秘密を採取することだということを十分認識しているのである。
実際、APIセキュリティベンダーのCorsha Inc.が今週発表した新しい調査では、53%がAPIトークンの漏洩によるネットワークやアプリへのデータ侵害を経験していることが判明している。

AIが採用難の職種に弾みをつける
「静かな退職(職場で最低限の仕事しかしない)」と高いインフレの時代、雇用主は従業員を採用し維持するためにこれまで以上に厳しい状況に直面している。 雇用主がこの状況に対処し、空いた仕事を埋めるために奮闘する中、人工知能(AI)を搭載した採用・人事ツールが果たす役割がますます重要になってきている。

CNETがAIの限界を痛感
日曜日、技術ニュースや製品レビューの出版物は、AIによって書かれた記事の全体を通して基本的な計算が不正確だったため、複数の修正を余儀なくされた。
複利について説明したこの記事には、1万ドルを3%の貯蓄口座に預けた場合にどれだけの利益を得られるかを誤って計算しているなど、少なくとも5つの誤りがあった。AIは、300ドルではなく、10,300ドルを得る事ができると述べていた。

GitHubなどが利用するライブラリにサービス拒否の脆弱性が発見される
サービス拒否(DoS)エクスプロイトは、機密データを狙った侵入やランサムウェア攻撃とは異なり、サービスを停止させ、完全にアクセス不能にすることを目的としている。
Legit Securityは、GitHubやGitLabなどで利用されているマークダウンライブラリに、「commonmarker」という一般的なマークダウンレンダリングサービスを利用したDoS脆弱性が発見されたことを発表した。

Microsoftが生成AIの最大の勝者になるには
11月にChatGPTがリリースされて以来、高度な大規模言語モデル(LLM)のキラーアプリケーションの可能性について多くの憶測が飛び交っている。少し前には、MicrosoftがGoogleに先行するために、ChatGPTをBing検索エンジンに統合するという報道もあった。また、ChatGPTのようなものが検索を完全に置き換えるという議論も多くある。 LLMやその他の生成的な人工知能技術のビジネス上での大きな可能性を探り始めたところだと思われる。

IBM:量子コンピュータはデータ暗号化にとって「実存的な脅威」となる
長年にわたり、暗号化は企業のデータを保護する上で中核的な役割を担ってきた。しかし、量子コンピュータが高度化するにつれ、企業や消費者向けベンダーが自社製品の安全性を確保するために依存している従来の暗号化ソリューションや公開鍵暗号(PKC)標準は、解読される深刻な危険にさらされている。
IBM Institute for Business Valueは、「量子時代のセキュリティ」と題する新しいレポートを発行し、量子リスクの実態と、解読リスクが高まる中で重要なアプリケーションやインフラの完全性を保護するために企業が量子安全機能を採用する必要性を検証している。

Royal Mailがサイバー事件後、一部の輸出小包の輸送を開始
英国のRoyal Mailは、先週発生したサイバー事件により国際輸出サービスが大幅に停止した後、「運用上の回避策」を試すため、限られた量の輸出小包の輸送を開始したと水曜日に発表した。International Distributions Services Plc (IDSI.L)傘下の郵便事業会社は、手紙の輸出も再開し、1900 GMTから顧客が国際輸出手紙を同社のネットワークに提出することができるようになったと述べている。しかし、回避策を試みている間、輸出小包を新たに提出しないよう、引き続き顧客に呼びかけているという。

Microsoft Azure OpenAIサービスの一般提供が開始、ChatGPTも登場
Microsoftは月曜日夜のブログ記事で、GPT-3.5、DALL-E 2、Codexなどの大規模AIモデルで企業がアプリを強化できるAzure OpenAI Serviceの一般提供を発表した。
報道発表によると、利用可能なのは「Microsoft が設定・公開した責任ある倫理的なAI原則の基準を満たし、それを遵守する顧客に限定される」という。

Dellが更新されたサーバー・ポートフォリオにより多くのAIパワーを統合
人工知能(AI)の需要が高まり続ける中、機械学習(ML)およびAIワークロードに最適化されたハードウェアの需要もそれに比例して高まっている。この機会を捉えようとするDell Technologiesは、Dell PowerEdgeのイベントで発表した新しいサーバーのラインアップを発表した。

AIの法的議論において正反対の立場にあるGettyとShutterstock
多くの人にとって、企業で働くにせよ、自分でインディーズブログを書いているにせよ、Getty ImagesとShutterstockはストックフォトの世界の代名詞とも言える、似たような企業である。価格も提供するものも違うが、どちらもデジタルコンテンツや印刷物に追加するためのストックイメージを提供していることに変わりはない。しかし、ここ数カ月の間に、AIによるテキストから画像への生成という爆発的な広がりと、急速に進化する法的問題への対応において、両社が乖離していることが明らかになってきている。

Stable Diffusion のAI アート訴訟、さらに OpenAIがDeepMind から警
この金曜日、オープンソースのジェネレーティブAIアートに注力する2社、Stability AI(Stable Diffusionを開発)とMidjourney、およびオンラインアートコミュニティのDeviantArtに対して、AIアートに関する初の著作権侵害の集団訴訟が提起された。

メタバースの出現と持続力
過去2年半の間に、私たちはメタバースと呼ばれる新しいデジタル体験の人気と普及が急増していることを目の当たりにしてきた。この誇大広告を超え、業界を超えて、メタバース機能には真のチャンスと持続力がある。実際、Gartnerは、メタバースを新たなトレンドとテクノロジーの上位5つのうちの1つに選んでいる。 ネットワーク技術が拡大するにつれ、クラウドサーバーとデバイス間の膨大な量のデータ転送が可能になり、これまで見たこともないような体験を生み出すだろう。

どのように中国がアメリカの技術機密を盗み出したのか
エネルギー複合企業であるGeneral Electric Powerの元社員、Zheng Xiaoqing氏の破滅を招いたのは、何の変哲もないように見える写真だった。
司法省(DOJ)の起訴状によると、ある米国人が雇用主から盗んだ機密ファイルを夕日のデジタル写真のバイナリコードに隠し、Zheng氏はそれを自分宛に郵送したとのこと。これはステガノグラフィと呼ばれる技術で、データファイルを別のデータファイルのコードの中に隠すというもので、Zheng氏はGEから機密ファイルを持ち出すために何度もこの技術を利用した。

GoogleのMuseモデルは、ジェネレーティブAIの次の大物になる可能性
Googleは今月初め、最新のテキスト・トゥ・イメージ・モデル「Muse」を発表した。
他のテキスト・トゥ・イメージモデルと同様、Museはディープニューラルネットワークで、テキストプロンプトを入力として受け取り、その説明に合った画像を生成する。しかし、Museが他のモデルと異なるのは、その効率性と正確さである。Googleの研究者たちは、この分野における過去の研究の経験を基に新しい技術を加えることで、より少ない計算資源で、他の生成モデルが苦しんでいる問題のいくつかを進展させた生成モデルを作ることに成功した。

量子機械学習(QML)が2023年に飛躍する見込み
古典的な機械学習(ML)アルゴリズムは、さまざまなタスクに対応する強力なツールだが、大規模で複雑なデータセットを処理したり、高い精度と正確さを達成したりするのに苦労することがある。
そこで登場したのが、量子機械学習(QML)であり、量子コンピューティングのパワーとMLの予測能力を組み合わせることで、性能の向上を実現する。英国ブリストル大学のRichard Jozsa氏とNeil Linden氏は、論文「On the role of entanglement in quantum-computational speed-up」の中で、「量子アルゴリズムの使用は、…機械学習と人工知能を革新する可能性を秘めている」と記している。

NvidiaがBioNeMoでジェネレーティブAIを後押し
Nvidiaは、バイオテクノロジーのスタートアップEvozyneとともに、BioNeMoが気候変動だけでなく、人間の健康増進の支援に大きな影響を与える可能性のある新しい生成AIモデルの構築に役立てられたことを発表した。この生成AIモデルは、今週詳細が発表された一対の新しいタンパク質の作成に使用された。タンパク質の1つは、いつか二酸化炭素を削減するために使用される可能性があり、もう1つは、先天性疾患の治療に役立つかもしれない。

飛行機雲は航空業界にとって問題だが、簡単に解決できる可能性
晴れた日、気象条件によっては、民間航空機の飛行機雲で覆われることがある。
飛行機雲は環境にとって驚くほど悪い影響を与える。ある研究では、飛行機雲が地球温暖化に与える影響は57%であり、燃料を燃やしたときに排出されるCO2よりもはるかに多いという結論が出ている。これは、燃料を燃やしたときに排出されるCO2よりもはるかに多い。
火山灰や大気汚染物質から航空機のエンジンを守ることに注力してきたSataviaは、現在、飛行機雲の問題に取り組んでおり、コントレイルが発生する条件を予測する気象予測モデルを開発し、フライトスケジュールを分析、コントレイルが発生しそうな場所を避けるように飛行機を誘導している。