週刊 ベンチャー投資&ITニュース 3/21/2022

1、ベンチャー投資

ロシア制裁で注目されるコンプライアンス・テクニカルセクター
コンプライアンス・テクノロジーは、金融、医療、個人情報保護などに関するルールや法律に企業が従うことを支援する技術である。新しい法律が制定され規制が強化されるにつれ、かつて手作業で行っていたことを自動化して対応しようとする企業が増え、コンプライアンス分野も拡大している。

非公開と公開のフィンテック評価額がさらに離れる
フィンテック企業の価値について、民間と公的市場では異なる見解があるという。ここ数ヶ月の間に、ベンチャー企業で上場したばかりのフィンテック企業の時価総額が切り下げられた。一方、非公開の評価額については、今のところ調整が必要なようだ。

代替金融のスタートアップ企業が1億1,500万ドルを調達
カンザスシティに拠点を置くNovel Capitalは、ステルス状態から脱し、非公開の支援者から1億1,500万ドルの初期株式および負債による資金調達を発表した。

最新のデータスタックはどのようにリアルタイム化されているのか
組織は従来のデータインフラにうんざりし、リアルタイムデータインフラへの移行が進んでいる。Lightspeed Venture PartnersのパートナーであるNnamdi Iregbulem氏は、分析的な洞察に加えて、リアルタイムデータインフラは、変化するデータに随時対応できる新しいカテゴリーのアプリケーションを可能にすると説明している。

Talent.comが1億2,000万ドル を調達
企業のキャリアサイトや人材派遣会社、求人サイトなどで公開されている求人情報を一元管理するプラットフォームのTalent.comは、Inovia Capitalが主導するシリーズBラウンドで1億2,000万ドル を調達した。

OXIOが4,000万ドルを調達
ブランドや企業向けに設計されたテレコム・アズ・ア・サービス・プラットフォームのOXIOは、ParaFi Capitalが主導するシリーズBラウンドで4,000万ドルを調達した。

Nautilus Labsが3,400万ドルを調達
商業的リターンを最大化しながら排出量を削減する海事技術企業のNautilus Labsは、M12が主導するシリーズB ラウンドで3,400万ドルを調達した。

サイバーM&Aの記録的な年になりそうなGoogleのペース
Googleがサイバー企業Mandiantに提案した54億ドルの買収額は印象的だが、これはサイバーセキュリティのM&Aにおいて記録的な年となる前兆かもしれない。2022年にはすでに、サイバーセキュリティ関連のM&A案件が20件以上発表されており、その総額は74億ドルをはるかに超えている。

求人プラットフォーム市場が過熱する中、またもや大型の資金調達案件が発生
オンライン求人プラットフォームは、20年以上前の最初のドットコム・ブーム以来、ベンチャー企業の資金調達先として人気のある分野である。モントリオールを拠点とする求人検索プラットフォームTalent.comは、シリーズBラウンドで1億2,000万ドルを調達した。

Shield Capitalが1億2,000万ドルを調達
ペンタゴンの元重鎮たちが設立し顧問を務めるShield Capitalは、最初のファンドとして1億2,000万ドルを調達し、商業および国家安全保障に関連する技術に投資する予定。同社は、政府や安全保障に関連する技術への投資を専門とするVC企業や投資家の中でも、数は少ないが増えつつあるグループの一つである。

Selectorが2,800万ドルを調達
オペレーショナルインテリジェンスを実現するAIOpsプラットフォームを提供するソフトウェア企業 Selectorは、Atlantic Bridgeが主導するシリーズAラウンドで2,800万ドルを調達した。

Rutterが2,700万ドルを調達
あらゆる商取引、会計、決済のプラットフォームと統合するユニバーサルAPIを開発するRutterは、Andreessen Horowitzが主導するシリーズAラウンドで2,700万ドルを調達した。

レストランテックへの投資意欲が高まる
注文、支払い、配送システムをデジタル化するレストランが増える中、VCの「レストラン・テック」企業への投資意欲が高まっている。次は、この業界最大の技術的課題である「厨房のデジタル化」である。

資本調達が困難な創業者も出てきており、時代は変化している
インフレや地政学的混乱が懸念される中、VCやそのリミテッドパートナーが現在のマクロ経済環境に慎重なため、資金調達に時間がかかっている創業者もいる。ほんの6ヶ月前とは大違いである。

市場が低迷する中、Web3への資金調達は爆発的に増加
現在、ベンチャー企業の話題は減速しているが、Web3や非中央集権的なWebに関するものは、影響を受けないようだ。今週はその例として、スイスのブロックチェーンスタートアップConsenSysによる4億5,000万ドルのラウンドと、元Meta社員が設立したAptosに対するa16z主導の2億ドルの「戦略的」投資があった。

投資家のジェンダーギャップを解消するための5つの提案
米国VCのチェックライターのうち女性はわずか14%であり、この業界では女性と男性の間に大きなギャップが残っていることが浮き彫りになっている。Dell Technologies Capital(DTC)のプリンシパルであるRadhika Malik氏は、VCの男女格差に対処するための5つの提案をしている。

Staffbaseが1億1500万ドルを調達
ドイツに本拠を置く、従業員コミュニケーションツールを提供するStaffbaseは、General Atlanticが主導するシリーズEラウンドで1億1,500万ドルを調達し、11億ドルの評価額となった。

高成長企業5社が合計9億2,500万ドルを調達
企業の成長を示すCrunchbaseの主要なデータ・シグナルを分析するシリーズ「The Sales Signal」の最新版では、2月の資金調達に関する洞察をもとに、注目すべき高成長企業5社を紹介している。

SaaSベースの分析会社 InFeedoが1,200万ドルを調達
企業向けの従業員エンゲージメント・プラットフォームを開発しているInFeedoは、Jungle Venturesが主導するシリーズA ラウンドで1,200万ドルを調達した。

フィンテック企業のCowbell Cyberが1億ドルを調達
AIを活用した継続的なリスク評価とサイバー保険を提供するCowbell Cyberは、Anthemis Groupが主導するシリーズBラウンドで1億ドルを調達した。

NFT関連のスタートアップが1年で26億ドル以上を調達
Crunchbaseのデータによると、過去12カ月間に、会社概要にNFTを掲げるスタートアップのラウンドが200件強クローズし、合わせて26億ドル以上のシード、ベンチャー、グロース資金を調達している。

Future CropsがTencentの投資を受け、垂直農法が盛んに
オランダに本拠を置く、最新の農業技術企業Future Cropsは、Tencentから未公開の投資を受けた。同社はすでに、鉄鋼業界のラーマン一族が運営するプライベート・エクイティ部門から3,000万ドル以上のシード資金を調達している。

投資家が新たな警戒心を示し、スタートアップ企業の資金調達が減少
世界のベンチャー企業の資金調達額は、先月、1月と比較して100億ドル(17%)減少したが、前年比では依然として大幅に増加している。最も影響を受けたのは アーリーステージとレイトステージの資金がそれぞれ2桁の減少率を示し、新興企業への投資にある程度の警戒心が芽生え始めていることを示唆している。¥

今週の10大ディールゲッターのうち、フィンテック系新興企業が上位を独占
先週は資金調達の発表が平常に戻り、米国で最も大きなVC資金提供先10社のリストに入った企業のうち、上位2社を含む半数が金融サービス関連であった。

RihannaのランジェリーブランドがIPOを視野に入れたと報じられる
Rihannaが設立したランジェリー会社Savage X Fentyは、30億ドルの価値がつくIPOに向けて銀行と協力していると報じられている。これは、VCが支援するほとんどの企業が、市場の変動の中で今年のIPO計画を一時停止していることなどから、重要な意味を持つ。

Kuku FMが2,000万ドルを調達
オーディオブックの形で独占的なプレミアムオーディオコンテンツを作成し、配信するポッドキャスティングプラットフォームのKuku FMは、Kraftonが主導するシリーズBラウンドで2,000万ドルを調達した。

Kristal.AIが630万ドルを調達
プレミアムな投資を大衆に提供するために設計されたデジタル個人資産プラットフォームのKristal.AIは、シリーズBラウンドで630万ドルを調達した。

Diamond Ageが5,000万ドルを調達
建設労働力不足に対応するためのロボット建設技術を提供するDiamond Ageは、Prime Movers Labが主導するシリーズA ラウンドで5,000万ドルを調達した。

ヘルスケアサービスのNice Healthcareが3,000万ドルを調達
患者にオンライン医療施設およびサブスクリプション型ヘルスケアサービスを提供するNice Healthcareは、DNA Capitalが主導するシリーズAラウンドで3,000万ドルを調達した。

ライブビデオインフラストラクチャープラットフォームの100msが2,000万ドルを調達
自社のアプリケーション内にビデオ/オーディオ会議を追加したい企業向けに、ローコードソリューションを提供する100msは、Alpha Wave Incubationが主導するシリーズAラウンドで2,000万ドルを調達した。

AIで企業の収益を分析するCaliberMindが800万ドルを調達
AI技術を収益分析に応用することを目指すCaliberMindは、新たな資金調達ラウンドで800万ドルを調達した。

2、ITニュース

パンデミック後ビジネスを成功させるためにはAIが重要
エンタープライズデータクラウドプロバイダーのClouderaが、新しい調査「Limitless」を発表した。The Positive Power of AI」では、組織が人工知能(AI)、機械学習(ML)、データ分析を用いて、パンデミック後の世界においてどのようにビジネス成果を向上させるかを調査している。また、本調査では、環境・社会・企業統治(ESG)の台頭と、組織がより大きな利益のためにこれらの技術の利用をどのように選択するかを検証している。

Cygna LabsがDiamond IPの買収を完了し、セキュリティの専門性を強化
IPネットワークの基盤を形成するDDIソフトウェアを世界中の企業に提供するCygna Labsは、British Telecom(BT)から接続サービス、クラウドサービス、セキュリティサービスを提供するDiamond IPの買収を完了したことを発表した。

生産目標を達成するための最大のリスクは、予期せぬ機器の故障
Plant ServicesとAuguryの新しい調査によると、81%のメーカーが自社製品への需要が増加していると回答している。このレポートでは、企業の回答者と製造現場の作業員の両方を調査し、企業の回答者の36%と現場の回答者の44%が、生産目標を達成するための最大のリスクとして、予期せぬ機械のダウンタイムを挙げていることがわかった。

警察による顔認証の利用を支持する国民もいる
Pewの新しい世論調査によると、複数のアメリカ人が法執行機関での顔認識使用を支持しているが、人種的な隔たりが存在することがわかった。

You.comがOpenAIを採用したAI搭載のライティングツールを発表
検索エンジンYou.comは、エッセイやEメールなどを生成できるAI搭載のライティングアシスタント「YouWrite」を発表した。

MITの研究者がシミュレーションを用いてロボットを高速走行させる訓練を実施
MITのコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究チームは、MITが設計したMini Cheetahがシミュレーションで試行錯誤しながら走ることを学習するシステムを開発したと発表している。

Adobeの新しいB2B製品で顧客のハイパーパーソナライゼーションを強化
今日の企業間取引(B2B)の営業顧客の期待は、ますます高度化し、進化している。AdobeのプロダクトマーケティングおよびB2B戦略担当シニアディレクターのBrian Glover氏は、「ブランドにとっての課題は、顧客の条件に合わせてつながり、パーソナライズされた体験を作り上げることである」と述べている。

マイクロLEDがメタバース実現に貢献
2022年もメタバースの話題が続き、各社が結集して創発世界のリーダーとしての主張を展開する中、SFの世界のように見えるかもしれないものの実現を後押しするイノベーションとテクノロジーは何か。元Google社員で拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の専門家であるNikhil Balram氏は、マイクロLEDがメタバースの夢を現実にすると述べている。

Miso Roboticsがトルティーヤチップ製造ロボットでChipotleと提携
Miso Roboticsは、カリフォルニア州アーバインにある同ブランドの研究開発施設で、Chipotleのチップスを揚げる手順に合わせてカスタマイズしたロボット「Chipy」をテストしていることを発表した。両社は、今年後半に南カリフォルニアのChipotleレストランでChipyを導入する予定であると述べている。

ロシアのハッカーがMFAと「PrintNightmare」の脆弱性を悪用し、NGOに侵入したと米国が発表
FBIとCISAは、ロシアの国家的脅威者が、多要素認証(MFA)のデフォルトと「PrintNightmare」として知られる重大な脆弱性を悪用して、非政府組織(NGO)に侵入したことを強調する警告を発表した。

資金が増加する一方で、倫理的な課題がAI分野を悩ませ続ける
個人投資家はAIスタートアップにこれまで以上に多くの資金を注ぎ込んでいる。同時に、AIシステムは、少なくとも物体分類などの特定のタスクに関しては、より手頃な価格でトレーニングできるようになってきている。しかし、厄介なことに、OpenAIのGPT-3と同じ系統の言語モデルは、以前の単純なモデルよりも偏りが大きく、より有害なテキストを生成している。

MongoDBとAWSがこれまでのパートナーシップをさらに拡大
MongoDBとAmazon Web Services(AWS)は、これまでのパートナーシップをさらに拡大した6年間の大規模な契約を締結したことを発表した。この発表は、両社が顧客のワークロードをレガシーおよびオンプレミスのインフラからクラウドに移行するための支援に取り組む中で行われた。

サイバー攻撃から企業を守るには、ターゲットとなる脅威のインテリジェンスが重要
サイバー攻撃者は新たな手口で進化を続けており、企業のエコシステムにおいてサイバー攻撃との戦いは熾烈を極めている。昨年、Sophosが発表したレポートによると、ランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)攻撃は過去18カ月間で急速に増加していることが明らかになった。

Synthetaicが合成データプラットフォームの拡張に向けたベンチャー資金を調達
データサイエンティストは、AIシステムの開発に合成データを利用することが増えている。実際、2019年の同分野の調査では、合成データの利用を、特にコンピュータビジョンで台頭している「最も有望な一般技術の1つ」であると呼んでいる。Gartnerは、2024年までにAIや分析プロジェクトの開発に使用されるデータの60%が合成的に生成されるだろうと予測している。

クラウドソーシングを活用し、より良いYouTubeのレコメンデーションを目指す
研究者グループは、デフォルトのシステムよりも問題の少ないYouTube推奨アルゴリズムの構築を試みている。

AI導入における最重要課題とその解決策を経営陣が語る
業務のデジタル化を進める動きが広まり、企業はAIを積極的に導入している。IDCの2022年AI InfrastructureView調査によると、31%の企業が現在AIを実運用しており、大多数がAI技術を積極的に試験的に導入していると回答。AIの採用が収益性の向上につながるケースも増えており、2021年12月のマッキンゼーの調査では、回答した企業の27%が、利払前税引前利益(EBIT)の5%以上がAIに起因するようになったと主張している。

GreyNoiseがLog4jのような「怖い」脆弱性から保護する無償ツールを発表
GreyNoise Intelligenceは、重大な脆弱性を大規模に悪用しようとする既知の攻撃者をセキュリティチームがより容易に阻止することを目的とした新しいツールを発表した。

エッジコンピューティングは新しいワークロードと強い成長を遂げるとIDCが予測
新旧の IT ワークロードがクラウドに移行しているにもかかわらず、企業の IT ショップでは、データが作成される場所に近い場所でより多くのコンピューティングリソースが使用されるようになっている。エッジコンピューティングの旗印の下、このトレンドはコンピューティングパワーの分散化を約束し、機械学習製品が「エッジAI」バージョンとして登場しつつある大手クラウドプロバイダを含む通信事業者や既存のIT企業などにとって関心の高い分野になっている。