週刊 ベンチャー投資&ITニュース 2/21/2022

1、ベンチャー投資

ユニコーンに見られる移民リーダーシップ
アメリカのスタートアップ企業では、移民が創業し、率いている企業が圧倒的に多く高評価を得ている。しかし、この傾向は今後も続くのだろうか。評価額80億ドル以上のベンチャー企業では、移民の創業者が依然として多い。

暗号会社Circleの新規取引と90億ドルの評価額
ボストンを拠点とするCircle Internet Financialは、特別目的買収会社Concord Acquisition Corp.との以前発表した合併契約を終了したが、評価額が2倍の90億ドルになる新しい条件に同意した。

Neurotherapeuticsの2つの大きな新ラウンド
Crunchbaseのデータによると、過去数年間、ニューロセラピューティック、ブレインセンシング、および関連分野の企業に、10億ドルを超えるベンチャー投資と成長投資が行われた。今週新たに、腸-脳回路の治療の可能性に注目したバイオテクノロジー企業が2億3,500万ドル、デジタル神経治療薬の開発企業が1億500万ドルを調達するなど大きなラウンドが行われた。

Thrive Capitalがスタートアップ企業向けにさらに30億ドルを調達
Josh Kushner氏が設立したニューヨークのベンチャー企業Thrive Capitalは、8番目のファンドとして30億ドルを調達した。セクターやステージを問わず投資を行う同社は、これまでGlossierやSKIMSといった有名な消費者向け企業や、AirtableやStripeといった技術系企業を支援してきた。

SECがVCと成長するユニコーンに影響を与える可能性のある大きな変更を検討
民間市場の透明性を高める新たな取り組みの一環として、SECは、ベンチャー投資家の活動方法と米国内の約600のユニコーン スタートアップ企業の双方に影響を与える規則改正を検討していると報じられている。

流通市場への参入
株式市場が不安定な中、多くのスタートアップ企業がIPO計画を一時停止し、流動性を求める従業員が株式の売却を流通市場に求めている。しかし、すでに流通市場での株式売却への関心の高さは、スタートアップ企業の株価の下落に反映され始めているという。

企業向け会話型オートメーションのプロバイダー Uniphoreが4億ドルを調達
近年、ベンチャー投資家や成長投資家は、カスタマーサービスに特化した自動化技術の開発者に何十億ドルもの資金を投じている。この分野の企業は、顧客の問題解決を迅速化し、人間のエージェントへの依存を減らすために、AIを採用することに重点を置いている。

NYSEもNFT取引に参入を希望
ニューヨーク証券取引所がNFT取引に参入することに関心を持っていることが、公文書で明らかになった。230年の歴史を持つこの証券取引所は、デジタル収集品の売買を促進するためにベンチャー資金で何億ドルも調達したスタートアップ企業が支配する、すでに混雑した分野に参入することになる。

ロボット企業 Addverbが1億3,200万ドルを調達
イントラロジスティクスのオペレーションを改善する自動化ソリューションを提供するAddverbは、Reliance Industriesが主導するシリーズBラウンドで1億3,200万ドルを調達した。

AccelとIndex Ventureが欧州ユニコーンに最も積極的な投資を行う
AccelとIndex Ventureは、長期にわたってヨーロッパのユニコーンに最も積極的に投資している投資家である。2021年にThe Crunchbase Unicorn Boardに加わる86社の新企業への投資に関しても、彼らの投資が続いている。

Securonixが10億ドルを調達、サイバーセキュリティ分野で今年最大の資金調達となる
Securonixは、Vista Equity Partnersから10億ドル以上の資金調達を発表した。これは、米国を拠点とするVC支援企業による今年度2番目の規模のラウンドであり、11月以降で最大のサイバーセキュリティ関連のラウンドとなった。

物流スタートアップ Vehoが1億7,000万ドルを調達
eコマース企業の翌日配達を支援する物流スタートアップのVehoは、1億2500万ドルのシリーズAでユニコーンに認定されてからわずか6週間で、シリーズBラウンドで1億7,000万ドルを調達した。

フィンテック企業のBankedが2,000万ドルを調達
カードスキームに代わる口座間決済ソフトウェアプラットフォームを提供するBankedは、Bank of Americaが主導するシリーズAラウンドで2,000万ドルを調達した。

SECの規制強化がもたらす「冷ややかな」効果
大きなM&A案件は常に見出しを飾るが、最近のニュースは取引の詳細よりも、連邦取引委員会との反トラスト法上の戦いの可能性の方が大きいように思われる。

First Light FusionがシリーズCラウンドで投資家の注目を浴びる
日曜日のスーパーボウルでは電気自動車がクリーンテックの話題で持ちきりだったが、個人投資家にとっては核融合が依然として再生可能エネルギーとして注目されているようだ。英国を拠点とするFirst Light Fusionは、月曜日に4,500万ドルのシリーズC資金を調達したと発表した。

API保護プラットフォームのSalt Securityが1億4,000万ドルを調達
APIの脆弱性保護プラットフォームを提供するSalt Securityが、シリーズDラウンドで1億4,000万ドルを調達した。

分散型データの高速分析を提供するStarburstが2億5,000万ドルを調達
オープンソースのPrestoベースのSQLクエリーエンジンTrinoを開発し、より高速で分散型のデータ分析を提供するStarburstは、2億5,000万ドルを調達した。

企業向けMLOPSプラットフォームのWallarooが2,500万ドルを調達
AIモデルを展開・維持するプラットフォームを開発するWallarooが、シリーズAラウンドで2,500万ドルを調達した。

Web3暗号化ソリューションのRuby Protocolが730万ドルを調達
機密データをオンチェーンで保護し、承認された秘密鍵を持つエンティティのみが復号化できる暗号化ソリューションを提供するRuby Protocolは、730万ドルを調達した。

AIを活用した物流ソフトのLeaf Logisticsが3,700万ドルを調達
AIを活用したサプライチェーンと物流ソフトウェアを開発するLeaf Logisticsが、ベンチャーキャピタルから3,700万ドルを調達した。

コンピュータビジョンによる在庫スキャンのScanditが1億5,000万ドルを調達
ラベルをスキャンして企業の在庫管理をするアルゴリズムを開発しているScanditが、1億5,000万ドルを調達した。

SaaS向け使用ベース課金プラットフォームのM3terが1,750万ドルを調達
SaaS企業が使用ベース価格設定での運用上の問題を回避する、計測・価格設定エンジンを提供するM3terは、1,750万ドルを調達しステルスから脱却した。

アシストテクノロジーのNorthspyreが2,500万ドルを調達
不動産チーム向けにプロジェクトデリバリーソリューションを提供しているNorthspyreは、CRVが主導するシリーズBラウンドで2,500万ドルを調達した。

ダビングサービスのDeepdubが2,000万ドルを調達
AIを活用したエンターテイメントコンテンツのダビングサービスを提供しているDeepdubは、Insight Partnersが主導するシリーズA ラウンドで2,000万ドルを調達した。

税務申告ソフトウェアのNeo.Taxが1,000万ドルを調達
研究開発税額控除を申請する税務申告および自動化ソフトウェアを構築するNeo.Taxは、Infinity Venturesが主導するシリーズA ラウンドで1,000万ドルを調達した。

先週の動き:9億3,500万ドルの資金調達がリード
先週、世界のスタートアップ企業の中で最大の勝者となったのは、約10億ドルのラウンドを受けたサプライチェーンテック企業であった。サプライチェーン分野に投資家が資金を注ぎ込むことは驚くことではないが、2億5,000万ドル以上をかき集めたアドテク企業は、やや常軌を逸している。

新世代の出会い系アプリを支援するベンチャーキャピタル
TinderやHingeのようなアプリがモバイルファーストのオンライン・デートの先駆けとなってから10年が経ち、ベンチャー投資家は、オーディオベースのプラットフォームやミームベースのデーティングアプリなど、新しいメディアで人々が出会いを見つけることを目的とする新しいスタートアップを支持し始めていることが、Crunchbaseのデータで明らかになった。

2、ITニュース

AWSがLocal Zonesの拡大について詳述
AmazonのクラウドオフショットであるAWS(Amazon Web Services)は、低遅延のクラウドインフラサービスを大規模な人口や産業拠点に近づけるために2019年に開始したイニシアチブ、AWS Local Zonesのグローバル展開計画を明らかにした。

Linux のプログラムにローカル特権の昇格を可能にする脆弱性
サイバーセキュリティベンダーであるQualysの研究者は、Linuxプログラムで新たに公開された脆弱性は、ローカル権限の昇格に悪用され、最終的にルート権限を取得する可能性があると発表した。

DeepMindがAIを核融合炉の制御に応用
DeepMindは、強化学習という手法を用いて、核融合炉を制御できるとするシステムを開発した。

VMwareとNvidiaがAIを搭載したハイブリッドクラウドプラットフォームで提携
VMWareは、GPU(Graphical Processing Unit)市場の80%を占めるITプロセッサ・メーカーであるNvidiaと、新しいハイブリッド・クラウド・プラットフォームで提携する。

H2O.aiがHydrogen Torchで企業向けにディープラーニングを民主化
AIやMLなどの先端技術を取り入れたアプリケーション開発が進化を続けている。今回は、さまざまな展開結果を汎用的なノーコードプラットフォームに統合することで、その効果を発揮する。これにより、業務ユーザーは、データ記録の分析から自然言語処理、そして画像や映像の出力まで、クリックするだけで実行できるようになる。

MetaのRSCスーパーコンピュータがもたらす画期的なパワー
先月、Meta(旧Facebook)は「AI Research SuperCluster(RSC)」と呼ばれるスーパーコンピュータを開発したと発表した。年内に完成すれば、世界最速クラスのAIスーパーコンピュータになるとしている。

AkkioがSnowflakeとの統合によりノーコードAIプラットフォームを更新
マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置くAkkioは、企業がAIを数分で構築・展開するためのノーコード・プラットフォームを提供するという、主要データプラットフォームとの統合を含む製品改良を発表した。

App AnnieがData.aiになり「統一データ標準」を目指す
モバイルデータおよび分析プラットフォームのApp Annieが、Data.aiにブランドを変更した。同社は、「大きな企業市場の機会」と呼ぶ資本参加のために、自らを「統一されたデータの標準」と位置づけ直したのだという。

DDoS攻撃がウクライナで過去最大
ウクライナの軍事・金融機関に対する分散型サービス妨害(DDoS)攻撃は、「同国の歴史上最大のDDoS攻撃だった」と、ウクライナ政府機関が発表している。

クラウドが物理設計の変革のカギを握る
Rescale の新しい調査によると、企業はハイパフォーマンス・コンピューティング・プラットフォームとクラウドのベストプラクティスを迅速に組み合わせて、ジェット機、自動車、チップ、薬品などの物理的なものの製品開発を加速しているという。

OptimizelyがGoogle Cloudと提携し、デジタル体験の向上を目指す
Digital Experience Platform(DXP)プロバイダーのOptimizelyは、Google Cloudと複数年契約を締結したことを発表した。この契約の一環として、顧客のユーザー体験を最適化するためのデジタルファーストマーケティングオファリングを開発し、検索最適化、AI、MLなどのテクノロジーについて協力するために、共同でGo to Marketと販売実行戦略を調整する。

ウクライナ国防省、銀行がサイバー攻撃を受ける
ウクライナ国防省は、火曜日にサイバー攻撃を受けたと報告し、ウクライナ政府もサイバー攻撃が同国の2つの銀行を襲ったことを明らかにした。

Netlify GraphがサードパーティAPIの「面倒なバックエンド統合作業」の解消に貢献
ウェブプロジェクトを構築、ホスト、拡張するプラットフォームを提供するNetlifyは、開発者の生産性を高めることを期待し、APIを使った構築の「新しいアプローチ」と呼ぶものを発表した。

リテール・メタバスの3本柱
リテール・メタバースでは、対面での体験の構築やコミュニティの醸成について優れた理解を持っている企業が優位に立てる可能性がある。

LivePersonが次世代ボットにさらなる個性とAIを投入
LivePersonは、同社のConversational Cloudに蓄積された月間約10億件の会話データをもとに、複雑な顧客からの問い合わせを解釈して簡略化し、有意義な会話を自動化して販売までつなげるために、AIをよりよく訓練していると主張している。

Rocket Chat がオムニチャネルメッセージングにInstagram Directを採用
Rocket.Chatの新サービスは、企業のInstagramアカウントとRocket.Chatのオムニチャネルカスタマーサービスパッケージを統合することを可能にする。

ロシア、ウクライナ、サイバー戦争
ロシアがウクライナ国境付近で大規模な軍備増強を行い、米国をはじめとする西側諸国の政府が厳しい警告を発する中、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が大きくなってきた。また、サイバーセキュリティの専門家によれば、ロシアによるサイバー攻撃攻勢の可能性もあり、米国を含むウクライナ以外の国々を巻き込む「サイバー戦争」の可能性さえあるという。

コミュニティ主導とベンダー主導のオープンソースソフトウェアの課題
最近公表されたLog4jの脆弱性は、オープンソースソフトウェア(OSS)、特に専任の開発者やセキュリティチームによってサポートされていないソフトウェアの固有のセキュリティに関する同じ質問を再浮上させた。